塩素が含まれる水道水をそのまま飲んでも大丈夫？ろ過やおいしく飲む方法について
私たちの最も身近なお水といってもよい水道水。普段から水道水を飲んでいる方は少なくなく、誰しもが水道水を利用して生活をしています。
日本の水道水は、世界の中でも質がよいと高く評価されている一方で、塩素が入っていて危険、体によくないといった話を聞くこともあります。
そこで今回は、水道水の成分や浄水との違い、塩素が与える影響や安全性、さらには水道水のおいしい飲み方まで詳しく解説します。
水道水の成分について
そもそも水道水はどのような成分が含まれているのでしょうか。
水道水にはナトリウム、カルシウム、マグネシウム、カリウムなどが含まれています。天然水にも同様の成分が含まれていますが、味わいには違いがあります。
その要因として、水道水には「塩素」が含まれていることが挙げられます。
ここでは、塩素の役割や濃度、水道水と浄水の違いや塩素が与える影響について見ていきましょう。
塩素の役割
水道水に含まれる塩素は、私たちの健康を守るための重要な役割を果たしています。
水道水は、地下水や河川のお水を浄水場で処理して供給されますが、この過程で混入する可能性のある病原菌を除去するために、塩素が使用されます。
塩素は、これらの病原菌を効果的に破壊し、安全な飲料水を確保するために欠かせない存在なのです。また、浄水場から家庭までの長い距離を経てお水が運ばれる間に、再度汚染が起こらないようにするためにも、塩素は必要です。
塩素が水道水に含まれているおかげで、私たちは安心してお水を飲むことができます。
塩素の濃度
水道水に含まれる塩素の濃度は、安全性と快適性のバランスを取るために厳密に管理されています。
日本では、水道法によって蛇口から出るお水の残留塩素濃度が、最低限0.1mg/Lであることが求められており、これにより十分な消毒効果が保たれます。
しかし、過剰な塩素は味やにおいに影響を与えるため、上限値も定められており、多くの自治体では独自に0.3～0.6mg/L程度の目標値を設定しています。
こうした管理の下、適切な塩素濃度が維持されることで、安全なお水が各家庭に届けられています。
塩素はどんな影響があるのか
水道水には安全のために塩素が含まれていますが、健康に影響がないと証明された濃度の塩素を使用しているため、体に悪影響はありません。
水道水はろ過されてから水道管を通って私たちのもとへ届くため、塩素が入っていないと、細菌などを含んだお水になってしまう可能性があります。
また現在の研究では、他の方法で水道水を殺菌することはできませんので、塩素が唯一しっかりと安全を確保できる成分になっているのです。
ただし、人によっては、残留塩素による肌などへの影響があるといった人もいますが、塩素の濃度から考えると、体への悪影響はないといえます。
塩素は安全安心のお水を私たちに届けるために必要な成分だといえるでしょう。
水道水は安全なのか
結論からいうと「水道水は安全」です。
特に日本の水道水は世界レベルで安全と評価されており、その中でも水質管理は非常に高い水準にあります。
また、水道水を飲むことができる国は世界でも11カ国（※）しかなく、そもそも水道水を飲める国がほとんどないのです。
では、水道水が飲み水として供給されるまでの安全性を保つ仕組みや、どのような基準でクリアされているのか、解説しましょう。
（※）参照：国土交通省 令和５年版 日本の水資源の現況について（第７章 水資源に関する国際的な取組）
安全性を保つ仕組み
日本の水道水が世界的に安全と評価される理由の一つは、徹底した浄水処理と厳格な品質管理にあります。
原水はまず、沈殿・ろ過といった物理的処理を受け、有機物や不純物が除去されます。その後、塩素消毒が施され、病原菌の殺菌が行われます。
塩素は強力な殺菌剤であり、細菌やウイルスの細胞膜を破壊し、安全なお水を家庭に届ける役割を担っているのです。
また、水質基準を維持するために定期的な検査が行われており、特に残留塩素の濃度が基準を超えないように厳しく管理されています。
発がん性物質や病原体などの基準
水道水の安全性を確保するために、日本では厳しい基準が設けられています。特に、発がん性が疑われる物質であるトリハロメタンに関しては、水道法によって0.1mg/L以下という厳格な基準が定められているのです。
トリハロメタンは、浄水場での塩素消毒中に有機物と反応して生成される消毒副生成物であり、その中でもクロロホルムが主な成分です。
クロロホルムは国際がん研究機関（IARC）によりグループ2B、つまり「発がん性の可能性がある」と分類されており、日本ではこのリスクを最小限に抑えるための基準が設定されています。
また、病原体に対しても、塩素消毒だけでなく高度な浄水処理が導入されており、各種細菌やウイルスの除去が行われています。
水道設備のメンテナンス
水道設備のメンテナンスは、水道水の安全性を長期にわたって維持するために不可欠な要素です。
水道管や貯水タンクは、定期的な点検と清掃が法律で義務付けられており、これにより配管内の汚染や劣化を防止しています。特に、大規模な貯水タンクに関しては、専門業者による厳密な検査と清掃が行われています。
一方、家庭内の配管や小規模施設のメンテナンスに関しては、所有者がその責任を負うことになるのです。
適切な管理が行われていない場合、古い配管からのサビや有害物質がお水に混入するリスクがあるため、定期的なチェックが推奨されます。
こうしたメンテナンスの徹底が、長期間にわたって安全で高品質な水道水を提供する基盤といえるでしょう。
水道水のおいしい飲み方について
ここまでで日本の水道水は安全だとわかっていただけたと思いますが、安全なお水とおいしいお水は別の問題です。
先程も述べているように、水道水には消毒剤として、本当に微量ではありますが、塩素が使用されています。
この塩素が水道水に含まれているアンモニア性窒素と化学反応することで、クロラミンと呼ばれる物質を生み出しています。
このクロラミンこそが、独特のカルキ臭を生み出してしまう原因となっており、水道水がおいしくないと感じてしまう大きな理由として挙げられます。
そのような場合のためにここでは、水道水をおいしく飲む方法について見ていきます。
水道水をおいしく飲むには、以下の5つの方法を取り入れることがおすすめです。
- ・5分ほど沸騰させて冷ます
- ・レモン汁を入れる
- ・活性炭を入れる
- ・冷蔵庫などで冷やして飲む
- ・浄水器を使用する
順に解説していきます。
5分ほど沸騰させて冷ます
水道水をおいしく飲む方法の一つめは、5分ほど沸騰させて冷ますことです。
沸騰させることで塩素がほとんどなくなるため、カルキ臭などを感じずにおいしく飲むことができます。
注意したい点としては、塩素を除去することになるので、すぐに飲まないと細菌などが繁殖してしまう可能性が高いことです。
よく「一度沸騰させたお水は使わないほうがよい」と言われることがありますが、これは塩素が除去されてしまい、お水の品質が保ちにくくなるからです。
レモン汁を入れる
水道水を手軽においしくする方法として、レモン汁を加える選択肢があります。
レモンに含まれるビタミンCは塩素を分解する働きがあり、一切れのレモンをお水に入れるだけで塩素臭が和らぎ、フレッシュな味わいを楽しめますよ。
この方法は、塩素除去と同時にさわやかな風味も加わるため、特に暑い季節やリフレッシュしたい時におすすめです。
また、レモンの代わりにビタミンCを多く含むオレンジやキウイなどを使うことで、同様の効果が期待できるでしょう。
さまざまな果物でバリエーションを楽しむことも可能です。
活性炭を入れる
活性炭は、その表面に無数の微細な穴があり、これらが塩素を吸着することでお水の味を改善します。
吸着のプロセスにより、水道水特有の塩素臭が取り除かれ、クリアで飲みやすいお水へと変化します。
さらに、活性炭には自然のミネラルが豊富に含まれており、水道水に加えることで、まるでミネラルウォーターのような風味とミネラル成分を楽しめるのです。
ただし、活性炭を使用する前は必ず煮沸して消毒を行い、完全に乾燥させてから使用しましょう。
お水1リットルに対して約150グラムの活性炭を目安に加え、一晩置くことで十分な効果を得られますよ。
冷蔵庫などで冷やして飲む
水道水をおいしく飲む方法として、冷蔵庫などで冷やして飲むことも試してみましょう。
カルキ臭に関しては、水温を下げることで感じにくくなるといった特徴があります。
常温で飲むとどうしてもカルキ臭を感じやすくなってしまうため、気になる人は冷蔵庫で冷やして飲んだ方がおいしく飲むことができます。
水道水が苦手な人でも、冷やすと天然水か水道水か、味などの区別がつかなくなると言った人も多くいます。
一般的に、体温より20度〜25度低いお水が最もおいしく飲むことができると言われているため是非試してみてください。
冷蔵庫などで冷やして飲むことにより、水道水をおいしく飲むことが可能です。
浄水器を使用する
水道水をおいしく飲む方法の５つめは、浄水器を使用することです。
浄水器を水道の蛇口などに設置することにより、水道水に含まれる残留塩素などはもちろん、その他の不純物もしっかりと取り除いてくれます。
仕組みとしては、内部にある活性炭やろ過膜などのフィルターによって、水道水に含まれる残留塩素やその他の不純物などの通過をブロックしてくれる効果もあります。
よって、残留塩素や不純物が入っていないお水に変わるため、カルキ臭なども抑えることができるようになるわけです。
浄水器を使用することにより、水道水をおいしく飲むことができますので、ぜひ試してみてください。
まとめ 水道水は安全！塩素の影響もなし！
水道水が安全である理由や、塩素が体に与える影響についておわかりいただけたかと思います。
水道水に含まれる塩素は、細菌やウイルスから私たちを守るために重要な役割を果たしており、特に日本のお水は安全性が非常に高いのです。
水道水のカルキ臭が気になる方には、よりおいしいお水を楽しむために「コスモウォーター」の天然水の利用をおすすめします。
コスモウォーターは新鮮な天然水を提供し、その品質と安全性で高い評価を得ています。ぜひ一度お試しください。
