水道水のpH基準値はどのくらい?飲料水に適したpH値とは

私たちにとって水道水はとても身近なものであり、日本の水道水は世界的に見ても高品質であることが知られています。ただ、水道水のpH(ピーエイチ)値がどれくらいかはご存知ない方も多いのではないでしょうか。

そこで、そもそもpH値とは何か、水道水のpH基準値はどの程度なのかなどを紹介します。酸性・アルカリ性の違いなども解説しているので、ぜひご覧ください。

pHとは?

pH値とは、水溶液の性質が酸性・中性・アルカリ性のどれに該当するのかを示す数値のことをいいます。それぞれの基準は以下の通りです。

【pH値の基準】

  • 酸性:0.0~6.9
  • 中性:7.0
  • アルカリ性:7.1~14.0

pHが0に近いほど酸性が強く、14に近いほどアルカリ性が強くなります。酸性に傾いているお水は殺菌作用が強く、アルカリ性に傾いているお水は体内への浸透が早いのが特徴です。強い酸性・アルカリ性はいずれも皮膚や金属を溶かすため、取り扱いには注意が必要です。

pHと硬度の違い

お水には「硬水」と「軟水」の2つがあります。これらは硬度と呼ばれるものによって分類され、硬度とpHは全くの別物です。

pHは水溶液の性質が酸性・中性・アルカリ性のどれに該当するのか分類する数値であるのに対し、硬度はお水の中に含まれているカルシウムやマグネシウムといったミネラル成分の含有量によって変わります。カルシウムやマグネシウムの含有量が多ければ硬水、少なければ軟水です。

硬水・軟水という漢字からもイメージできるように、硬水は口当たりが硬く(重く)、飲み込みにくいと感じることがあります。硬水を飲むことでミネラルは摂取できますが、ミネラルの過剰摂取は肝臓や腎臓などに悪影響を及ぼす可能性があるため、飲みすぎに注意しましょう。

水道水のpH基準値について

日本の水道水の基準値はpH5.8以上8.6以下であり、これは水道法によって定められています。pH5.8以上8.6以下というと少し設定範囲が広いように思われますが、これは貯水池の環境によってpH値に違いがあるためです。

pH7が中性なので、中性に近い数字が水道水の基準値となっていることがわかります。

強すぎる酸性やアルカリ性のお水を飲むと人体に悪影響を及ぼすほか、酸性が強いと酸味が強くなったりアルカリ性が強いと苦味が強くなったりするなど、味にも影響します。

日本では当たり前のように水道水を飲むことができますが、世界的に見ると水道水をそのまま飲める国は多くありません。日本の水道水はpH値だけではなく、さまざまな面から安全のための対策・確認がされています。

参考:厚生労働省:水道法第4条に基づく水質基準

【種類別】お水のpH値

お水の種類によってもpH値は異なります。ここでは、ミネラルウォーター、純水、RO水のpH値を紹介します。

ミネラルウォーター

ミネラルウォーターとは、お水のみを原料とする清涼飲料水のことであり、pH値は厚生労働省によって水道水と同様の5.8以上8.6以下と定められています。

選択するミネラルウォーターによって細かい部分は異なりますが、ミネラルウォーターとして販売されている商品であれば、どれを選んでも酸性・アルカリ性のいずれかに偏りすぎているようなことはありません。

参考:厚生労働省:ミネラルウォーター類における化学物質等の成分規格の設定等について

純水

純水とは不純物を全く含んでいない、もしくはほぼ含まない高純度のお水のことをいいます。酸性またはアルカリ性のどちらかに分類される物質が含まれていないので、pH値の基準は中性であるpH7です。

しかし、実際には空気中に含まれる二酸化炭素と接触することで若干酸性化することもあります。純水をさらに精製した純度の高い超純水ほど、不純物が溶け込みやすくなるのも特徴です。このことから、正確に純水のpH値を測定するのは難しいとされています。

RO水

RO水とは、RO膜と呼ばれる「ろ過膜」を使用し、原水に含まれる不純物やミネラルを取り除いたお水のことです。酸性・アルカリ性のいずれかに傾く原因となる成分を含んでいないことから、pH値は限りなく7に近くなります。

pH値によって変わるお水の特徴

pH値が変わると、お水にはどのような違いが現れるのでしょうか。アルカリ性と酸性それぞれのお水の特徴を紹介します。

pH値が高いアルカリ性の水

pH値が14に近いお水ほどアルカリ性が強く、苦くなります。

アルカリ性のお水は体内に素早く浸透するほか、物をやわらかくする作用を持つのが特徴です。そのため、やわらかく仕上げたい料理を作る際にはアルカリ性のお水を使用するのが適しています。抽出力も高いことから、だしの香りを引き出すのにも役立ちます。

また、強いアルカリ性のお水は触るとぬるぬるした感じがするのも特徴です。これは皮膚のたんぱく質が溶けているためなので、強いアルカリ性のお水に触れた場合はすぐに流水で洗いましょう。

pH値が低い酸性の水

pH値が0に近いお水ほど酸性が強く、酸っぱくなります。

酸性のお水が持つ大きな特徴といえば、洗浄力の高さです。そのため、食器洗いや、手洗い時の汚れ落としには、酸性のお水が役立ちます。

また、酸性のお水には収れん作用と呼ばれる毛穴を一時的に引き締める作用があるため、美容面でも役立つでしょう。炭酸水での洗顔が美肌作りに良いと話題になったことがありますが、これも酸性のお水が持つ洗浄力や収れん作用が関係しています。

身近にあるもののpH値

私たちの身近にあるもののpH値は、どのようになっているのでしょうか。一例を紹介します。

【pH値例】

  • ・ レモン・お酢:pH2~3
  • ・ スポーツドリンク:pH3~4
  • ・ ポン酢:pH3~4
  • ・ しょうゆ:pH4~5
  • ・ ビール:pH4~5
  • ・ 炭酸水:pH4~5
  • ・ 海水:pH8~8.3
  • ・ 重曹:pH8~8.5
  • ・ 石けん:pH10~11

酸っぱいと感じるものはpH値が低く、酸性に傾いていることがわかります。また、洗剤は商品によってpH値が大きく異なるため、用途に合ったものを使い分けると便利です。

まとめ

今回は、水道水のpH基準値や、飲料水に適したpH値、アルカリ性・酸性のお水の特徴などを紹介しました。日本の水道水は厚生労働省が厳しい水質基準を設けていることもあり高品質で、基準値も飲料水として適したpH5.8~8.6です。

ただ、水道水は残留塩素によるカルキ臭が気になる方もいるでしょう。そういった方におすすめなのが天然水です。

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