トリハロメタンは水道水を煮沸して除去できる？有害性や安全でおいしいお水を飲む方法を解説
水道水の安全性が気になっている方は、トリハロメタンという物質について聞いたことがあるかもしれません。
しかし、トリハロメタンがどのような原因で生成され、どのような有害性があるのかまで知っている方は少ないのではないでしょうか？
そこで今回は、トリハロメタンとはどのような性質を持つ物質で人体にどのような点で有害なのかということや、トリハロメタンの除去方法などをわかりやすくお伝えします。
体に摂り入れるお水は安全なものがいいと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
トリハロメタンとは
はじめに、トリハロメタンとはどのような物質なのかをわかりやすく解説していきます。
水道水内の有機化合物と消毒用の塩素が反応して生成される
トリハロメタンは主に、水道水に含まれる有機物質と消毒するために使用する塩素が化学反応を起こして生成されます。
そのため「消毒副生成物」とも呼ばれる物質です。具体的には、水道水に含まれる「フミン質」や植物プランクトン、下水処理水などと塩素が化学反応を起こして生成されます。
トリハロメタンを含む消毒副生成物は人にとって有害なものも多いため、水質基準を定め、厳重に管理されています。
メタンの4つの水素原子のうち3つがハロゲンに置き換えられた物質
トリハロメタンは、メタン（CH4）の4つの水素のうち、3つがハロゲン原子の塩素や臭素などに置き換えられた物質です。
トリハロメタンという名前もこの物質の構成と関係していて、トリ（3の意味）とハロ（ハロゲン原子の意味）がメタンと結合した物質なので「トリハロメタン」という名で呼ばれているのです。
どのハロゲン原子が結び付くのかによって、生成される物質の種類も変わるため、トリハロメタンとはこのように生成された物質の総称ということになります。
水道水の水質基準では4つの物質をまとめて総トリハロメタンと呼ぶ
前述した通り、複数存在しているトリハロメタンの内、4つの物質が「総トリハロメタン」という総称で水道水の検査項目に入れられています。総トリハロメタンはあくまで検査項目の名前で以下の4つの物質のことを指しています。
【総トリハロメタン】
・クロロホルム
・ブロモホルム
・ブロモジクロロメタン
・ジブロモクロロメタン
この4つは、特に水道水の消毒をするときに生成されやすい物質ということで、水道法で検査項目に定められています。
トリハロメタンは人体にどんな影響がある？
水道水を塩素で消毒することで生成されるトリハロメタンですが、水道水の水質検査項目に入っているということは人体に影響があるのでしょうか？
ここからは、トリハロメタンを摂取することでどのような危険性があるのかを詳しく解説していきます。
発がん性があると指摘されている
世界保健機関（WHO）の国際がん研究機関（IARC）では、トリハロメタンの中に含まれる「クロロホルム」と「ブロモジクロロメタン」を「ヒトに対して発がん性を示す可能性がある物質（Group2B）」に分類しています。
つまり、お水を飲むときにこれらの物質を摂取してしまうと、それが原因でがんを引き起こす可能性があるかもしれないということです。
そのため、日本の水質検査項目の中に、総トリハロメタンが含まれていて人が1日に2Lのお水を飲んでも健康上問題ない量が目標値に設定されています。
体内に蓄積されることはないと考えられている
とはいえ、クロロホルムなどを少量摂取しても体内に蓄積はせず、そのままの状態か二酸化炭素となって呼気で排出されると言われています。
そのため、水道水から摂取した少量のトリハロメタンが、体内に蓄積してしまうことはないと考えていいでしょう。
蓄積しないことを踏まえた上で、人が摂取しても健康上問題ない量の総トリハロメタンが水道水の水質基準の目標値に定められてます。
水道水の水質基準では総トリハロメタンの基準値を設定
水道水に含まれる総トリハロメタンの基準値は、0.1mg/L以下と定められています。
これは以下の4つの物質の濃度を合計した基準値で、さらにそれぞれの物質ごとの基準値は以下の通りです。
・クロロホルム：0.06mg/L以下
・ブロモジクロロメタン：0.03mg/L以下
・ジブロモクロロメタン：0.1mg/L以下
・ブロモホルム：0.09mg/L以下
これらはどれもWHOの基準値よりも厳しく設定されていて、日本の水道水の安全さがうかがえます。
トリハロメタンは煮沸で除去できる？
トリハロメタンの有害性について解説したところで、水道水を少しでも安全に飲むためにはどうしたらいいのかを紹介していきます。
水道水を煮沸することでトリハロメタンの除去は可能
水道水を安全に飲むためには、煮沸は有効な方法の1つです。
水道水に含まれるトリハロメタンは、煮沸することで気体となって放出されます。
水道水からトリハロメタンを取り除いて安心して飲みたい場合は、煮沸をしてみるといいでしょう。
短時間の沸騰ではかえってトリハロメタンが増加する恐れも
水道水を煮沸してトリハロメタンを取り除く方法には、注意が必要です。
それは、短時間の沸騰では逆にトリハロメタンが増加する可能性があるからです。
研究の結果で、お水の温度が上がるたびにトリハロメタンが増加し、沸騰しはじめたタイミングでは増加していて、さらに沸騰を続けることで減少していくということがわかっています。
つまり、沸騰した瞬間に加熱をやめてしまうと、水道水をそのまま摂取するよりもかえってトリハロメタンが増えている可能性があるので注意しましょう。
トリハロメタンを除去するなら10分以上煮沸する
上記を踏まえて、トリハロメタンを除去するために水道水を沸騰させるなら、最低でも10分は沸騰状態を続けるのがおすすめです。
特に沸騰のタイミングですぐに止めてしまうのが、トリハロメタン増加の可能性を高めるので、注意してください。
煮沸をすることでトリハロメタンだけでなく塩素なども取り除くことができるので、水道水をおいしく飲みたい方は試してみましょう。
水道水の煮沸についてはこちら：水道水は煮沸することでおいしく飲める！正しい方法や手軽においしいお水を飲む方法も紹介
トリハロメタンについて正しい知識を持とう
今回は、トリハロメタンという物質の特徴や有害性について紹介し、水道水からトリハロメタンを取り除くための煮沸方法も解説しました。
日本の水道水では厳しい水質基準が設けられています。
とはいえ、少しでも安全性の高いお水を摂取したいという方は、コスモウォーターの導入がおすすめです。
コスモウォーターでは、厳選された採水地から汲み上げた天然水をお届けしています。
不純物などを除去する方法として、塩素を使わずにろ過をするのが天然水の特徴なので、消毒副生成物であるトリハロメタンが発生することがありません。
また、採水から48時間以内に清潔な密閉型ワンウェイボトルに詰めてお届けするため、衛生的で安全です。
コスモウォーターがあると、煮沸する手間がなく、安全でおいしいお水が飲めるのはもちろん、冷水と温水がすぐに使えるというメリットもあります。
安全でおいしいお水を手軽に飲みたい方はぜひ、コスモウォーターを試してみてはいかがでしょうか。
〈参考サイト〉
トリハロメタンが心配なんだけど・・・？｜千葉県営水道
煮沸による高度浄水処理水のトリハロメタンおよび全有機ハロゲン(TOX)濃度の変化｜大阪市立環境科学研究所
浄水中のトリハロメタン最大生成能評価手法の検討及びそれを用いた川崎市長沢浄水場での調査｜水道協会
クロロホルムに係る健康リスク評価について｜環境省
（上記すべて参照：2023-12-6）
